制限能力者とは?
制限能力者というのは、契約といった、法律上の行為を単独で行うことができる行為能力が制限された人のことをいいます。
制限能力者を設けている理由は?
民法では、「私権の享有は出生に始まる」として、すべての人間(自然人)に権利能力を認めています。
しかしながら、不動産取引のような契約を、有効な法律行為として成立させるためには、その行為について、通常人なみの理解力と判断力(意思能力)を備えていることが要求されます。
また、意思能力を各人の個々の具体的な行為ごとに判定するのは容易ではありません。
そこで、能力が不十分であるとする人を定型化し、法定代理人等の保護者をつけて能力不足を補わせる反面、保護者の権限を無視した被保護者の行為の取消しができることとしたのです。
成年後見制度とは?
従来は、未成年者、禁治産者、準禁治産者という3つの範疇を設けて、行為無能力者とか無能力者と呼んでいたのですが、平成11年の民法改正によって、未成年者に対する制度は残しつつ、新たに成年後見制度が設けられました。
これにより、禁治産者、準禁治産者の制度は廃止され、後見・保佐・補助の3類型が導入されました。
なお、その際、従来の「無能力者」という表現は、「制限能力者」と改められています。 |